自分の力で進学をしようと新聞奨学生になることを決意

声優を志した動機は実はけっこう単純だったんです。僕が高校に入る前ぐらいから、アニメ業界が注目を集めるようになり、声優がアイドル的な立ち位置になってきたのをみて、面白そうだな、ちやほやされるんだろうなって。単純ですよね(笑)。

本気で声優を目指そうと考えはじめたのは、高校生になってからです。自分で言うのもなんですが、僕は器用なほう。運動でも芸術的なことでも、ある程度はできてしまってすぐに飽きてしまうんです。

でも、演技や声優ってゴールが見えない。一生技術を磨き続けても終わることがない世界に、どんどん惹かれていきました。

新聞奨学生になろうと決めたのは、これから不安定な世界に飛び込もうとしている僕が、いつまでも親の脛をかじっているわけにはいかない、と思ったから。自分のことは自分で責任を持とうと、自力進学できる新聞奨学生になろうと決心しました。

新聞奨学生についてネットで調べると、劣悪な生活環境などと書いてあるものあり、最初は不安もありました。それに、早朝に毎日起きられるのか、体調を崩したらどうなるんだろう、学業と仕事の両立はできるのかといった心配も。

でも、ネットの情報って本当かどうかわからない。自分で見て聞いて判断しようと、代アニのオープンキャンパスで日経奨学会の方から話を聞くなどして不安要素をなくしてから入店しました。

加えて、毎朝 2 時に起きられるようにあらかじめ体を慣らして生活リズムを準備しておいたのもよかったですね。

実際には、仕事を続けると体は勝手に動くようになりました。それに家賃を払わず、東京の街中に、十分な生活空間が用意されるわけですから、恵まれているなと感じてます。

専売所の所長をはじめ、社員さん、パートさん、奨学生の仲間たちとの関係性も良好です。特に私のいる店は、チームワークがいいので、環境面でもとても満足しています。


メリハリのある生活で、仕事も学業にも邁進できる

仕事と学業の両立を、大変だなと思ったことはやっぱりあります。それを乗り越えるために僕が心がけているのは、休日は完全にオフにすること。

休日になってから何をするか考えると、結局ダラダラと過ごしがちなので、事前に決めておきます。僕は、音楽を聴いたり、絵を描いたりするのが好きなので創作の時間にあてたり、好きなものを食べに行ったり、映画を観たり...。

しっかりと充電することでメリハリが生まれ、仕事と学業にも全力投球できるんです。

新聞奨学生をしていてうれしいのは、代アニに通う学生の中でも、新聞奨学生は腹をくくっている学生が多くて覚悟や気合いがあるといわれることです。

お給料をいただいている以上生半可なことはできないから、仕事にも学業にも真剣に取り組むうちに達成感が得られ、それが自信にもつながっているのでしょうね。

モットーは、出会いを大切にすること。僕はすでに事務所に入り、少しずつ仕事もいただいていますが、商業柄、常に新しいことを吸収することは不可欠です。

実際に体験することが難しくても、自分の知らない世界や異業種の方と接点を持って話を聞くだけでも、自分の血肉になります。

幅を広げ、懐の深さを身につけることで、有名な作品に出られるような声優になるという最終目標を必ず実現したいと思っています。