毎日、仕事を終えることで自己肯定感を高められた
高校生の頃から特別支援教育に興味があり、大学の教育学科で専門的に学んでみたいと思っていました。ただ、下に弟もいるから、親に経済的な負担をかけることができない。
それで、新聞奨学生になることを決めました。仕事を始めてみると気づいたのは、私は道を覚えるのが得意だったこと。
配達のルートを頭に入れるのもスムーズで苦労はなかったけれど、冬の雪が降る日や雨の日など、やっぱり仕事がきついなぁと思うことも。そのぶん、やりきった時の達成感があります。
3 年間経ちましたが、その間には同じ大学に通う新聞奨学生が、事情があって途中で辞めてしまったこともあります。
その時はテンションが落ち気味でしたが、「自分でやると決めたことだからやり通そう」とがんばってきたので、自分でもよくやってきたなと誇れるようにもなりました。
私、高校時代までは、自分には「これがある」と、自信を持てるものがなくて、自己肯定感がすごく低かったんです。
だけど今は、毎日ミスなく、滞りなく仕事を終えられた時に「私、今日もがんばってるやん!」と素直にそんな新聞奨学生としての日々の支えになってくれているのが、同じ専売所の後輩たち。
業務連絡のために LINE のグループを作ったら、思いの外仕事以外のことでも盛り上がって、今では何でも話せる友達になりました。
仕事や学校で辛い時には互いに「聞いてー」と言い合えたり、趣味の音楽のことで語り合えたりする欠けがえのない存在になっています。コロナ禍でなかなか集まることができませんでしたが、今年はみんなでディズニーに行くという目標もできました。
大学での講義に興味津々多忙な中にも充実感がある!
大学では、インクルーシブ教育についての講義に熱中しています。イングルーシブ教育とは、多様性を尊重しながら、障害のある人とない人がともに学ぶ仕組みのこと。
まさに私が学びたかった特別支援教育そのもので、高校の時には学ぶことができない分野だけに、とにかく興味深い!4 年生の 12 月には、このテーマでの卒論を提出するために、今は資料探しや資料の読み込みなど、準備に追われています。
コロナ禍で始まったオンライン講義から対面講義に切り替わり、通学の時間が増えたので今は大忙しですが、最後までやりきりたいと思っています。
これまで新聞奨学生を続けてきて思うのは、自分なりの軸をもつことが大事だということです。仕事自体は慣れれば難しくはないけれど、いつも前向きに仕事や勉強に励むのに疲れる時は、きっと誰にでもあると思います。
そんな時、絶対に叶えたい夢や学びたい学問、学校の友人や専売所の仲間、元気をくれる趣味があれば、踏ん張ることができるからです。
私にとっては、ずっと関心を持っていた大学での学び、将来の夢は違うけれど何でも話せる専売所の仲間たち、それに趣味の音楽などで、とても支えられています。
これから新聞奨学生になろうと考えている人なら、どんなに些細なことでも、自分にとって大切だと思える軸をもって挑戦してみてほしいと思います。