体力的にきつい日もあるが、仲間との絆で乗り越えられる

仕事をする上で心がけているのは、“適度な緊張感を維持すること”。毎日肩に力をいれて張り詰め過ぎると疲れてしまう。

でも、ちょうどいい程度の緊張感をもっていれば、ミスも減るし、体調管理にも役立つんじゃないかと思うんです。

僕は、精神的にも経済的にも自立して、自力で大学を出ようと決めていたので、新聞奨学生経験のある父からこの制度を勧められたとき、迷いなくやってみようという気になりました。

ただ、新聞を配達しながら、学業を続けるのは体力的に厳しいと父から聞いていた通り、最初は体力を消耗しましたね。でも、慣れてしまえば、怖いものなしです。深夜 2 時になると自然に目覚められるし、そこからは当然のように体が動くようになるものです。

晴れている日だけでなく、雪の日も雨の日も新聞を配るのは気が乗らない時もあります。でも、周りにはそれに共感し、支え合える専売所の仲間がいます。

「今日の雨はやばかったねー。今から気晴らしに飯でも行くか!」と、ご飯を食べにいったり、お弁当を買って一緒に食べたりすると、気持ちはリセットできる。

真面目な話も、馬鹿話もできる友達ができた専売所の環境は恵まれているな、と思います。また、新聞を配達しているのが縁で、地域の方とも挨拶をしたり、年度初めには「今年もよろしく」とお菓子をいただいたりしたことも。少しずつお客様との交流もできて、うれしいと思えることも増えてきました。

そしてやっぱり、お給料をいただけるのもありがたい!僕は毎月のお給料を貯めて中古のバイクを買って免許を取りました。

そのバイクやレンタカーで専売所の仲間や学校の先輩といくドライブやツーリングもいい気分転換になっています。自然いっぱいの岡山で生まれ育ったので、東京から足を伸ばして長野や静岡を走っていると、それだけで日頃の疲れが吹き飛んでいくんです。

新聞奨学生での経験が就活を勝ち抜く自信に

高校の頃から公民の授業が好きだったので、大学では元々興味のあった戦後の外交を絡めた日本政治の勉強に、特に力が入ります。

バブル経済の発端になったといわれる「プラザ合意」の経緯やそこから崩壊していく日本の経済事情など、思わず引き込まれる講義も多い。

高校の頃に広く浅く教わったテーマを、その道の専門家である教授がより深く教えてくださる講義をワクワクとしながら聞いているんですよ。

来年は、就職活動も始まります。新聞奨学生を経験したことで意思の硬さや継続力も養われて、「同世代には負けないぞ!」という自信が持てた。

その点では、就活の際にも、必ずアピールポイントになると思っています。まだはっきりと焦点は絞っていないけれど、バイクや車といった機械が好きなので、将来は機械を扱う企業の営業や資材調達などの仕事に就けたらと考えています。

そして、いつかは日本という枠に収まらず、世界でも活躍できるようなビジネスマンになるのが目標です。