
柿崎 春瑠華さん
代々木アニメーション学院 声優タレント科
NSN品川
夢への近道になると考えて 新聞奨学生になろうと決心
鍵っ子だった子供の頃、母が用意してくれたアニメの DVD をよく観ていたんです。以来アニメが好きになり、将来は大好きなアニメに関わる仕事がしたいと思うようになりました。
当時、夢中になった作品は『ワンピース』。何度観ても泣けるシーンがあるのですが、漫画を読むよりアニメを見るとより一層感動するのはなぜだろうと。考えてみると、声優のセリフの発し方や感情表現に惹かれているんだと気付き、声優の仕事に本格的に興味を持ちました。
ただ、声優は狭き門。不安定な職業でもあります。母子家庭で母は私のことをとても心配してくれているので、まず専門的な勉強ができる学校に入り、卒業後はプロダクションに所属し、こういう声優の仕事をしたい、というように将来の展望を説明。私の覚悟を知って、挑戦を応援してくれています。
新聞奨学生の制度は、代々木アニメーション学院のオープンキャンパスに参加した際に知りました。ローンを組むと卒業後の返済が大変。アルバイトも考えましたが、生活リズムが安定しない。
その点、働きながら学ぶことができ、卒業後に進路に集中できる新聞奨学生は夢への一番近道なんじゃないかと思いました。
朝早く起きられるのか、学業との両立は可能なのか、もちろん不安もありました。でも悩んでいてもしょうがない。だから勇気を持って一歩踏み出しました。
また、初年度利用した進学支援コースでの 1 年間も良い準備期間になりました。
学業と仕事の両立が自信になり自身の成長を実感できている
代アニの授業と日々の配達。いざ両立生活が始まると体力的に大変。学校にプライベート、自主練など、スケジュールはいつもつめつめの状態です。
「夢を叶えるために頑張る」という強い意志がなければ続けることは難しい、というのが正直な感想ですね。私の場合は、学業も仕事もやり切って、声優となる"その先の未来"を展望するのが原動力になっています。
大変な日々の中にも、嬉しいこともあります。新聞配達という仕事は、一人黙々と仕事をするイメージを持っていましたが、特に夕刊を配る時間は読者の方と触れ合う機会も。お礼を言われたり、差し入れをくださったりと、予想以上にコミュニケーションもある仕事です。
それに、慣れてきたら趣味の時間も取れるようになりました。私は日本の文化や歴史が好きなので、時間ができたら神社巡りをして気分転換しています。
また、覚悟を持って新聞奨学生を続けてきたことで、精神的にタフになれたのも嬉しいです。私は元々自信がなくて、自分の意見をなかなか言えない性格でした。
でも、演技をしていると、外面だけでなく内面まで自分の全てを出す機会も。代アニでの授業を通してそんな自己と向き合うと同時に、人の良い面を取り入れようと他者の観察や分析もしてきました。
変わろうと努力してきたことで、先生方からも変わったねと言われるようになりました。
加えて、進学支援コースを経て自分自身の力で学校に入学できた自信。そして、学業と仕事を両立しながら夢に向き合っているという自信。
そんな経験が積み重なって成長でき、自分の芯ができた気がしています。そうして培った自分の芯を武器にして、声の仕事はもちろん舞台にも立てる、オールマイティに活躍できる存在になれるよう突き進んでいこうと思っています。